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 【犠牲肉体】あとがき的なもの。
 


こんにちは、御倉です。

先月末に発売しました、サクリファイスボディー〜古代迷宮に封じられた禁断の肉体改造秘術〜は、おかげ様で絶賛発売中です。
DLSiteさんでは、週間ランキングでも10位までランクアップして、今年上半期を締めくくるいい作品作りができたと、ご購入頂いた方には感謝感謝です。ありがとうございました。

というわけで、今日のブログでは作品のあとがき的なものを書いてみようかと思います。
文章ばっかりで、長いです。

サクリファイスボディーの前身となる企画が立ち上がったのは、去年末。
最初はパズルを使った戦闘があるダンジョン探索型女体改造ゲームでした。
パズルの組み合わせによって敵に攻撃したり、女冒険者(騎士、賢者、魔法使い)の肉体が改造されてしまう魔法や武器による攻撃を受けるというもの。
1月末の企画書の段階ではまだこの企画案を元に進んでいるので、堕淫迷宮よりも規模が大きなシステムゲームになる可能性が高かったですね。

堕淫迷宮のマスターアップもあって中断していたこの企画ですが、企画ミーティングが再開した時に風呂敷を広げすぎて完成させるにはかなりの時間が掛かるということになり、内容を再検討することになりました。
(同時に『時間停止』と『父性ブレイクダウン』のプログラム部分を担当していたので、システム設計とコーディングを5月中に完成するのは無理な状態でした)



さてどうしようかと、私、忠臣、森田の3人でゴニャゴニャ打ち合わせてる時に、脱線して雑談していた映画『SAW』の内容みたいなテーマをゲームに出来ないかというアイデアが出ました。
実は、SAWみたいなテーマはずっと前に作ったゲームでもアイデアには上がっていて(『デュアルフェーズ〜寝取られる花嫁と汚されたウエディングドレス』の前身企画など)、大体は雑談の中でかき消されていくんですが、何故か今回は3人から出てくるアイデアがそれぞれしっくりとして、それならちょっと世界観を膨らませてみようということになりました。
(もともと、味方のはずのプレイヤーが実は黒幕でヒロインたちを騙していてダンジョンに送り込んでいたというベースストーリーがあったからかもしれません)

ヒロインが騎士、神官、魔法使いという部分は変えず、前身企画の女体改造のコンセプトもそのまま継承。
しかし相手(プレイヤー)は正体不明な人物にしたほうがいいと考えて、墓守(グレイブキーパー)というキャラクターを作りました。

さて、大体のコンセプトとゲームのレイアウトを作った時点で、(毎度のことながら)風呂敷を広げすぎたためにシナリオの概算が数メガ級になって、「フルプライスかよ!」とセルフつっこみを入れたところで、ルートとストーリーを絞ることにしました。むしろその方がテンポ感があってゲーム自体は面白く(読みやすく)なると思ったのもあります。

普段のアドベンチャーゲーム作りだと、この時点でライティング担当(今回は森田木兆子)にストーリープロットを作ってもらってから叩き台にするんですが、分岐が複雑すぎて把握できないということで、私がキャラクターのリアクション部分まで字コンテを書き起こして、それを肉付けしてもらうという方法を取ることになりました。

事前の打ち合わせで、基本的には会話のみで進めることを決めていたので、心理戦が多いシナリオには森田も苦労したようです。ライティングのサブスタッフを努めてくれた本田も、墓守と会話をさせないと背景で進んでいる部分を説明できないと悩んでいました。



三人の性格は、『現実的という名の愚直』『狂信者』『空気を読まないインテリ』と決まっていたので、それを元に味付け。

ノートには
シャールカの発想は、石室から脱するには墓守の言葉通りに従っては相手の思う壺だと考えている。
ビルギッタの発想は、ソフィア神を信じれば、加護によって助かると考えている。(少なくとも自分は助かると思っている)
カチェリーナの発想は、墓守の言葉の中に解法があり、それさえ判れば石室は出られると考えている。

(原則としてはカチェリーナの発想は正しく、ただ説明を省略するので他人を説得できないし、また説得するつもりもない)
(カチェリーナは墓守がパラナヴィーエを追放された魔導師だということに気づいているので、自分なら答えのない理不尽な条件を出さないと考えている)

シャールカの行動は、墓守の指示を疑って、自分自身の経験と直感で脱出を試みる。
ビルギッタの行動は、神に祈り、加護を求めたり、神意を顕現したりしようとする。(要は力押し)
カチェリーナの行動は、墓守の言動をヒントにして、何かしらの行動をしようと他人に指示する。

(シャールカは秩序のない理不尽な状態にストレスを溜めているが、冷静でいようと自制している)
(カチェリーナはトライ・アンド・エラーで、失敗もあるため、二人はその言葉を信用しない)
(ビルギッタは一見冷静さを保っているようだが、自分の身に危機が及ぶと神に守られていない、見捨てられたと恐怖する)

シャールカは限界まで自分自身を見失わないように努力する。
ビルギッタは早い段階で神の加護を得られないことに動揺して、心が壊れていく。
カチェリーナは起こった事象の内容を解析しようとようと務める。自分の身に起こったことを受け止めながらも、自分は失わない。

精神的均衡度
カチェリーナ>>シャールカ>>>ビルギッタ
(一見、宗教者のビルギッタが強そうに思えるが、神の加護を得られない、感じられないとなると急速に不安定になる)

と書いています。この時点で物語をかき回すのはビルギッタになるかなとは思っていたのですが、実際に森田木兆子が肉付けしてくれたビルギッタのキャラクター性は私の思っていた以上のイキっぷりで、夜中の電話打ち合わせで「もうちょっと抑えたほうが良くない?」と話した記憶があります。(結果としては、森田ビルギッタのキャラクター付けは良かったと思っています)



そのシナリオですが、墓守について途中で森田が一つアイデアを出してくれたので採用しました。
もともと、墓守には『智慧の門』という魔法器を装着しているという設定があったのですが、これを別解釈で広げたものです。それが何かというのはここでは直接書きませんが……ヒロイン三人のエッチシーンに出てくる墓守のリアクションにギャップがあることに意味があったりします。(何かの機会で森田自身がその辺のことをコメントするかもしれません)

長々と書いてきましたが、今日のところは一旦このあたりで。

ではでは(/・ω・)/


サポート情報   :   2015/07/05 13:38   

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